昭和55年の春、過度の合気道の練習から急性腰痛を患い、知人の整体師に施術してもらい治癒した事から内弟子として入門。整体師として見習いのスタートをきりました。
その後、東洋カイロプラクティック学院、東洋オステオパシー学院、中国中医研究所、日本プロカウンセリング協会、アドラー心理学会、RMIT日本校CSC課程(国際水準)などの学校を卒業し、カイロプラクティック、オステオパシー、中国整体、心理療法の理論・技術を身につけました。
平成2年に「日本整体心理学研究所」を、平成5年にカイロプラクティック・オステオパシー・中国整体・心理療法を教える「ジャパン・ヘルスサイエンス専門学院」を創立し、整体や心理カウンセリングの治療と指導に専念しています。
「川崎医療福祉大学」の上田智副学長(当時)より、平成11年から「内科診察」の手ほどきを7年に渡り師事し、整体師として基礎医学的な診察法の研鑽をふみました。
平成14年からは毎年「大阪の医科大学‐解剖学教室」にて11年連続で「解剖実習」を20回以上にわたり履修し、解剖学・生理学・内科学・整形外科学などの基礎医学と整体実技の研鑽をふみました。
平成9年には中国北京市「西苑医院」に留学し、聶 莉芳(ニエ リホウ)教授より、「東洋医学・舌診脈診・中国整体治療法」などの指導を受けました。
平成11年以降4度に渡り中国上海市「上海中医薬大学」に留学し、向 力(コウ リキ)学院長・張 壁英(チョウ ヘキエイ)教授・朱 麗麗(シュ レイレイ)副教授から、「東洋医学・舌診・脈診・中国整体治療法」などの指導を受けました。
京都大学医学部のブライアン・バジェル助教授(当時)より、カイロプラクティックの理論・実技の指導を受け、その後も学術面や経営面にわたり、色々と伝授されています。
WFC(世界カイロプラクティック連合)東京大会やニュージーランド大会などにも出席し、幅広い活動を続けながら、整体業界のレベルアップと発展のために努力しています。
▼ 患者はウソをつく
▼ 痛いところが悪いところと限らない
▼ 患者は全てを持ってくる、何を出すかは患者の自由
▼ 1.に診察、2.に治療法、3.4.がぬけて、5.にテクニック
▼ 整体の目的は健康な状態で人生を終えて頂く事
患者はウソをつく
決して患者さんが「悪意で嘘を言っている」と言うのではありません。患者さんが語る言葉の中には必ず真実でない部分が混じっています。思い違いや記憶違いなどの様に自分でストーリーを作ってお話されます。ですから我々医療家は患者さんが語る言葉の中から、患者さんの主訴についてどれが真実でどれが真実でないかを識別する知識と経験が必要です。
かつてこんな事がありました。ある肩こり患者さんに「お通じはどうですか?」と問診すると「快調です!」と答えられたのでしたが、どう診ても腹部が膨れて便やガスが溜まっていそうだったので便秘の治療もしたところ、後日この患者さんが「先生、肩こりとお通じがメッチャ良くなりました!」と仰っしゃいました。つまり本当は便秘気味だったのですね。こちらからすると「最初から言ってよ~」てな感じですが、しかし最初から本当の事を、治療に大切な事を言わないのが患者さんなのです。(患者さんのお話の中には大変重要なヒントも混じっているので細心の注意が必要なんですね。)
ちなみに「患者はウソをつく」要因には以下の事が考えられます。
● 恥ずかしい内容は隠して言わない
● 自分の主訴とは「関係ない」と思い込んで言わない
● 記憶間違い、思い違いで真実でない事を話す
● 昔の原因を今の原因と思い込んで話す
● テレビや他者の意見を鵜呑みにして話す
● その他・・・です。
患者さんから本当の事を聞き出す「問診力-診察力」。これを身に付けて頂く事が私たちの大きな目標です。
医学界の格言=「問診は医療の華である」
痛いところが悪いところと限らない
一般的に「肘が痛い」患者さんは肘周辺をマッサージしたり湿布薬を貼ったりしますね。しかし肘が痛いからといって肘に異常があるとは限らないので、そんなケースでは肘を治療しても効果はほとんどありません。
例えば「狭心症」の場合は肘周辺に放散痛が起こります。つまり肘が悪い(異常)のではなく心臓が悪い(異常)のです。
この様な場合に肘を施術しているようでは一人前の整体師とは言えません。これは我々JHSC整体師の常識です。
ちなみに異常部位と異なる部位に痛みが起こる機序には次の様な医学的理論があります。
● 関連痛、放散痛
● 内臓 – 体性反射
● 体性 – 体性反射
● 投射の法則(一種の神経痛)
● 経絡の反応
● 心身症、身体表現性神経症など心理的影響
● 血流異常
● その他多数
これらの理論 – 診察技術は我がJHSCで勉強します。
そしてこれらの高度な理論-診察技術を習得して頂きます。お医者さんほどまではいかずとも相当の診察力を付けて頂き、患者さんの本当に悪い部位を見つけて適切に施術出来る様にして、患者さんの為に貢献して頂きたく思います。
患者は全てを持ってくる、
何を出すかは患者の自由
「胆石症」には以下の様な症状があります。
● 発作時・・・右上腹部の疝痛発作と
圧痛、黄疸、発熱、灰白便、褐色尿、掻痒感など。
しかし50%の方は「サイレントストーン」と呼ばれ、
この様な胆石の発作を起こさないケースがあります。
● 非発作時・・・右肩こり、右上腹部の違和感、腹部膨満感、悪心、
その他の不定愁訴など(南江堂 必修内科学より)胆石症の
発作はマレにしか生じず、ほとんどが非発作状態です。
しかし深くて重だるい「右肩こり」は常時生じていて
マッサージ等を受診され事が非常に多い疾患です。
ここで皆さんに質問です。
もし皆さんが上記の状態で「右肩こり」を主訴にしてマッサージ店や整体院に行った時、皆さんであれば右肩こり以外に上記の症状を全て整体師にお話しされるでしょうか ?
おそらくほとんどの方は上記症状の全てをしゃべらずに「右肩こり」の事だけをお話しされるのではないか、思います・・・
こちらから「掻痒感はありませんか?」等と聞き出さない限りは !
つまり患者さんは「右肩だけでなく黄疸や掻痒感も持ってくる」のですが我々整体師に出すのは「右肩こり」だけなのです。
これは患者さんの考えであり自由なことです。しかしこれでは的確な診察は出来ずに誤診の原因につながります。
もし、右上腹部の違和感や黄疸・掻痒感なども最初に言ってくれたら(出してくれたら)、容易に右の肩こりの原因が胆嚢にあるのでは・・・と予想でき、専門医への紹介も含めて適切な処置をする事が可能になります。しかしそうでないと不適切な治療をしたり、最悪の場合重大な疾患を見逃し手遅れになってしまうかも知れません。
患者さんは肩や腰や足や腕、あるいは子宮や肝臓や筋肉や靭帯や神経など全ての器官を持って来院されます。しかし患者さんは診察に必要なことを全部お話されるとは限りません。従って我々整体師はどんな患者さんでもその他の症候を見逃すことなく常に全身を見て、観て、そして診る診察の訓練をしておく必要があるのです。
1.に診察、2.に治療法、
3.4.がぬけて、5.にテクニック
上記の三つの口癖からもうお分かりと思います。
テクニックで人は治せません。診察で人を治していくのです。診察して悪いところが分かっていないと肝腎のテクニックをどこに施術してよいのか分からず間違った部位に施術してしまい、効果がほとんど出ないことになってしまうからです。場合によってはさらに悪化させてしまう事もありうります。
しかし初心者ほど「テクニックの習得」に執心してしまい、あちこちのテクニックセミナーばかり受講しています。肝腎の診察力がおざなりになりがちだと、せっかく習ったテクニックをどの患者さんのどの部分に施術していいのか分からず、結局は簡単なマッサージ的な施術しか出来ない整体師が圧倒的に多いようです。
診断行為は医師しか出来ません。鍼灸師や接骨院を含む我々整体師も診断行為をしてはいけません。しかし施術する前にはしっかりと診察出来る整体師になって頂きたいと念願しています。そうすると患者さんに最高の治療法を考案する事が出来ます。ただむやみにいたずらにマッサージ等を施術するよりよっぽど患者さんの利益につながります。それは我々整体師の利益にもつながります。
さらにこの診察力は腫瘍や動脈瘤などの重大な患者さんの早期発見にもつながり、専門医への紹介にもつながります(危機管理)。我々JHSCが基礎医学に力を入れている理由はここにあります。なぜなら解剖学・生理学などの基礎医学はしっかりとした診察-治療法の考察に不可欠だからです。
「困った時の基礎だのみ」
整体の目的は健康な状態で人生を終えて頂く事
「もったいない」という発想・・・
世界最高の医療水準と設備のおかげで日本人の平均寿命は世界一です。(←2011年は東北大震災の影響で若干後退しました)
しかし75才-80才-85才とその数字は上昇していてもその実態は薬づけ・延命治療・長期介護・身体機能の低下などで、決して楽しくて健康的な人生を送っているとは言えず、どちらかと言えば身体がボロボロの状態で永く苦しんで亡くなられていくのが現状です(この状態を非活動的余命と言います)。
それは高齢者だけでなく青壮年から中年層等でも生活習慣病・メタポリックシンドローム・心身症の増加等々と、同様の現象が生じつつあります。
健康保険料は37兆円を超え、日本の税収である42兆円に匹敵する額が医療費に費やされている事実がそれを物語っています。
私たちはそんな見てくれだけの数字だけの「長生き」は大嫌いです。もっと根本的・潜在的にある「人の力」を引き出して健康な状態で長生きして人生を終えて頂きたいのです。
例えば、肺の容積が縮んで呼吸がしにくいおばあちゃんには、自分の力で呼吸が楽になるように横隔膜や肺の整体をして呼吸機能を最大限にしてあげたり、慢性肝炎で肝機能が低下しているお父さんには元気で働けるように肝血流の増加などの庇護作用で肝臓を復活させてあげたり・・・などです。
腰痛や肩こり治療などの目先の代替医療はもとよりですが、薬や医療設備などに頼る身体でなく、せっかく親からもらった大切な身体を死ぬまで大切に使って頂かないと「もったいない」です。
薬に頼らざるを得なくなった身体を強くて抵抗力のある身体に造り替えていきたい。そんなメンテナンス的な整体で人生を死ぬまで健康に過ごしてほしい・・・そんな事を目標としている点が私たちJHSCの整体の願いであり、この言葉の持つ意味でもあります。